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大学生の4人に1人が「平均」の概念を理解していない、というニュースがあった。
そんな馬鹿な、と思って問題を見てみる。 生徒100人の平均身長が163・5センチであるとき、確実に正しいと言えることに○を、そうでないものに×をつけなさい。 ①平均より身長が高い生徒が50人、平均より低い生徒が50人いる。 ②100人の身長の合計は1万6350センチ ③平均値付近の生徒の割合が最も多い 正解は①と③が×で②だけが○になるのだが、これは本当に「学力不足」の問題なのだろうか。 間違えたのはなぜか。 まず①と③について。 実際に、十分に多くの人数の身長を測定すると、身長の分布は正規分布に近い形になる。そして正規分布である場合、①と③は○になる。つまり現実的には①と③は十分妥当な結論なのだ。問題文中の「確実に」という単語を無視して常識を優先し間違えたのだろうと考えられる。 ②については、「身長」という単語に対して「1万6350センチ」という大きな数字が結びつかないために間違えて×をつけた人がいたと考えられる。 正解が常識に反するように問題が作られている。身長でなくサイコロの目の平均で問題を作ったなら、みんな正しい答えを出したはずだ。平均という概念を理解していないのではなく、数学的な推論よりも現実的な感覚を重視したために間違ったというだけだ。 この問題を間違えるということの本当の意味は、 間違えた人が「感覚によってもっともらしい答えが出たら、面倒臭い推論をしてまで正確な答えを確認したりしない」、ということだ。 それが学力不足ということだと言えばそれまでなのだが、正確さよりも速さ、というのは現代人らしい感覚ではないだろうか。
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